栃木県足利市や群馬県桐生市付近の一帯の住民には、
ちょっと変わった焼きそばが親しまれている。
その名もズバリ「ポテト入り焼きそば」。
ベースは普通のソース焼きそばに他ならないのだが、 その名前の通り、
一口大に切った蒸かしジャガイモがゴロゴロ入っている。

戦後、足利市にリヤカー引きのおやつ売りがいたそうな。
商っていたのはジャガイモと長ネギをソースで炒めたもので、その商品名が「ポテト」。
この「ポテト」という料理を入れた焼きそばなので「ポテト入り~」の名称になった、
との説を唱える人もいるが、実際のところははっきりしない。
ただ、そもそも食糧事情の悪い時期である。
ボリューム感を増す目的でジャガイモを入れて売るものが現れ、
それがこの一帯に広まってスタンダード化した、という流れであったのはまず間違いなかろう。
この付近には以前に紹介した「いもフライ」というローカル食もあり、
ジャガイモ=おやつという地域文化が根づいているのかもしれない。

現時点では、このメニューを出す店同士が親睦団体を結成するとか、
「お店マップ」を作って対外アピールする、といった動きは見られない。
特に足利には店も多いことだし、ちょっと考えてもよかろうに。
富士宮や横手などの焼きそばに比べると、やはり見た目や味が地味、
という点に尽きてしまうのだろうか。