宇都宮をはじめとする他の“餃子の街”にも共通することだろうが、
福島で広く餃子が食べられるようになったのは戦後のこと。
満洲からの引き揚げ者が、彼の地で覚えた餃子作りの知識を生かして、
いわゆる闇市で飲食業を始めたのが発祥と言われる。
闇市からのスタートというのが影響したのだろうか。
全店がそうだというわけではないが、福島においてよく遭遇する餃子の特徴が2点ある。
 ①具が肉よりも白菜などの野菜メイン
 ②丸いフライパンで焼く
①は、とにかく原価を低くおさえ、かつ、あっさり味にすることで注文数を増やそう、
という知恵の産物だろうか。
また、②は専用の道具などない状態から商売を始めた名残りと思われる。
そして、この②によって生まれたのが、円盤状の盛り付けだ。
写真をご参照いただきたい。
福島市内にはこんな感じで餃子を提供する店がけっこうある。
そこで、いっそ「円盤餃子」の名前でアピールしてみよう、という目論見が芽生えたらしい。
材料が餃子という非常にありふれたメニューであるから、
わかりやすくまずはビジュアルで差別化を、というのは、 割と良い考えのように思える。

円盤状に20~30個も並んだ餃子を1人で食べるのは大変そうだが、
具が野菜メインであるせいか、意外とあっさりたいらげられる。
ただし店によっては、なかば揚げたような感じに仕上がるほど多めの油で焼くところもあり、
低カロリーとは限らないのでご注意を。

さて、「福島名物・円盤餃子」として売り出し中、とは書いたが、
実際のところ、あちこちに派手に幟が出てるでもなく、
また“円盤餃子MAP”が簡単に入手できる状態でもなく、
活動はまだまだとってもとっても地味~なレベルっぽい。
何より、「円盤餃子」を出す店の大半が、夜のみの営業、かつ日曜休み。
つまり、あくまでも仕事帰りの地元民をターゲットに商売、という姿勢を変えていないのだ。
こりゃあ、他地域での知名度が上がるのは、当分先の話かな。