唐辛子入りの「辛味噌ラーメン」を出す店はあちこちにある。
そのほとんどは、唐辛子粉をスープに投入して混ぜてあるものだろう。
しかし山形県南部、南陽市から米沢市のあたりでは、
やや形式の違う「辛味噌ラーメン」の方が幅をきかせている。
基本は普通に味噌ベースのラーメン。
これに、唐辛子やニンニクなどの調味料を混ぜた味噌の固まり=辛味噌が
麺の上に乗せたり別皿に添えたりレンゲに乗せたりして出される。
この辛味噌を適宜、自分でスープに混ぜて味を調整する趣向なのだ。

南陽市の中心街・赤湯では、江戸時代から「石焼南蛮」と呼ばれる
唐辛子の加工品が作られていたそうだ。
昭和30年代、この地のある店が味噌ベースのスープのラーメンを考案。
さらに、石焼南蛮を加えたり、前述の辛味噌玉トッピングにしたりと、
試行錯誤を繰り返して現在のスタイルに至った。

辛さはあるけど、あとで胃やお尻が震撼する暴力的なものではない。
辛ウマって感じ。
ちょこっとずつ辛味噌を溶かしながら食べてみると、徐々に味が変化していっておもしろい。
一般的な辛味噌ラーメンよりも、ワタシはこっちの方が好きだな。

ちなみにこのメニューを生み出した元祖の店が商標登録しているため、
「赤湯辛味噌ラーメン」で検索してみても、ヒットするのはこの店、
あるいはその支店ばかり。
考案者が最大の利益を享受するのは妥当なことだとは思うけど、
仕方なく「みそラーメン」「みそ中華」などと、 辛味噌後混ぜスタイルであることが
わかりにくい名前で提供しているこの地域の他のラーメン屋さんが、
ちとかわいそうな気がしないでもない。