徳島県の阿波市土成町をここを南北に走る国道318号線の山添いの地域一帯、
つまりちょっとドライブすれば香川県というロケーションで、
「名物 たらいうどん」という看板や幟をいくつも見かける。
事情を知らぬ旅人は讃岐うどんの南進と思うかもしれないが、
これは立派な独立勢力のうどんである。
この道沿いの渓流に昔は7軒もの水車粉屋があり、手打ちうどん文化が育まれたという。
そして昭和初期。
視察に訪れた当時の徳島県知事に、この地区名物の手打ちうどんを
大きな器に入れてドカンとたくさん振舞ったところ、
知事はこれを気に入って「たらいうどん」と呼んだとか。
以降、この名称・スタイルで提供するようになったらしい。

写真を見て、なんだ釜あげうどんをたらいに入れただけではないか、
などと早飲み込みしてはいけない。
本来の「たらいうどん」は、ダシが違う。
付近の川に棲息するジンゾク(別名ゴリ)という魚を使うのだ。
これはその昔、付近の木こりが河原で食事をとる際に、
川で捕ったジンゾクでダシ汁を作ったのが元だという。
ところが、最近ではジンゾクの数が減少してしまって、
一帯に10軒余りある「たらいうどん」の店でも、 ダシにジンゾクを使うのは、
いまや1軒を残すのみとなったそうだ。

ならば食べ比べてみよう。
まずは、唯一のジンゾク使用店だという店。
早速ダシを味わってみるが・・・よくわからない。
鰹節やイリコなどとは違うのはわかるが、ちょっとしょっぱい。
それが特徴・・・のわけないよなぁ?
一方、すぐ近くにある別の店。
同様に、まずダシを含んでみたら・・・なにやらちょっと泥臭い感じ。
なんだこれ? ドジョウかなにかでダシとってるのかな??
ますますわけがわからなくなった。

いずれ久しぶりに讃岐うどん巡礼にいく際に、ちょっと足をのばして再検証しようと思う。