岐阜県の大垣というと、皆さんは何を連想するだろう?
夜行列車「ムーンライトながら」始終点、
松尾芭蕉の『奥の細道』の結びの地、
天下分け目の合戦場・関ヶ原に近いところ、といったところか。
あ、あとお好きな方は大垣競輪とかね。
つい数年前までは私の認識もそんなものだったが、
実際に現地に降り立ってみると、さらにおもしろいことがわかった。
湧水豊かで“水の都”と称していること。
和菓子生産が盛んで日本最古の菓子組合が結成された土地であること。
そんな水と和菓子の街・大垣を象徴する名物が、
今回紹介する「水まんじゅう」だ。
明治30年頃に考案されたというから、100年余の歴史ある一品である。

水まんじゅうは、こしあんを葛でくるんで蒸し、冷した夏の和菓子。
全国至るところで作られているポピュラーなものだが、
大垣のそれは一般よりちょっと小さめの一口サイズ。
それをぐい飲みなどの器に入れ、店先にて湧き出る自噴水に浸してある。
実に涼感たっぷりな、すばらしい演出ではないか。
いくつか取り出し、氷とともに器に盛り付ければ、さらに涼しげ。
口に入れればひんやりプルプルつるりん、そして上品な甘さが広がって、
ついつい調子に乗っていくつも食べてしまう。
夏季に大垣を訪れる機会があったら、
いや、乗り換えなどでほんの30分でも駅から出れる時間があるなら、
是非この水まんじゅうで涼をとることをおすすめする。