サンマの群れは、夏から秋にかけて親潮に乗って南下してくる。
いちばん早く捕捉できるのが根室近海。
だから例年、根室はサンマの水揚げ量日本一を誇る。
「さんまロール寿司」は、そんな環境から誕生した新メニューだ。

サンマの刺身の巻き寿司なのだが、外周部の材料は海苔ではない。
根室産の「棹前昆布」を甘酢で味付けしたもので巻いている。
あえて昆布を使うことには理由があった。
有数の生産地であるにもかかわらず、北海道の昆布消費量は少ない。
出汁を取るだけでは大した量にはならない。
もっと昆布そのものを食べる習慣を普及させて消費を増やそう。
そのために新メニューを開発しよう・・・そんな目論見のもとに、
近年、「さんまロール寿司」は考案されたのである。
使う昆布や米の品種、サンマとともに巻き込む食材、甘酢を作るときの調味料の配合割合、
果てはサイズや値段まで、10項目に渡る“ルール”を規定。
これに従って、根室市内の寿司屋・居酒屋など数店が提供している。

先に町おこし狙いありきで作られたものはワタシは評価しないのだが、
この料理は、そういうのとはちょっと違う。
サンマ、昆布といった古くからの地元特産品を使っているし、
一応、町おこしではなく地産地消拡大が大義名分になっている。
なので、応援の意味も込めて、当“図鑑”に入れよう。

あ、味のことを書くのを忘れていた。
そもそもサンマや昆布を知り尽くした漁業関係者が考えたものである。
不味いわけがない。
ただ、シーズン・オフはどうするんだろう?
冷凍サンマを使ってオールシーズン出しちゃうのかなぁ・・・。