かつて、近江の湖北地方では、五月の農繁期になると娘の嫁ぎ先へ
実家から鯖を贈る習慣があり、そこから生まれたのがこの料理だという。
近江=滋賀県は内陸だから、鯖は一見不可思議な贈答品だが、
この地は若狭湾が近く、昔からこの魚はポピュラーな食材なのだ。

焼きサバを甘辛く煮込み、その煮汁でそうめんを炊き合わせてある。
そうめんを使ってはいるが、たっぷりとだし汁をかけたり、
あるいはつけ汁に入れて食べるものでもない。
主食というより、おかずっぽい一品。
それぞれの家庭でそれぞれの味付けがあるのだろうが、
今回私が訪れた店では甘辛さが強すぎというか、
はっきり言ってまるで“魚の醤油煮缶詰風味”って感じ。
微妙だ…。
一杯飲みながら食べれば、また違う感想になっただろうか。