お隣の中国では大晦日に水餃子を食べる風習があるそうな。
かつて、我が国が大陸進出を計っていたとき、満州へ渡った人たちは、
この風習、そして餃子という食べものに触れた。
そして敗戦。
満州からの引揚者たちは、現地で学んだ餃子の作り方を、故郷に伝えた。
とりわけ、満州駐留部隊がドワッと引き揚げてきた土地では、餃子を商う者が数多く出現し、
この料理が地域に浸透していく。
そして昨今、ローカルB級グルメブーム到来により、宇都宮を始めとして、
「餃子の街」を自称する場所が各地に現れた。
静岡県西部にある浜松も、まさにその典型例である。

浜松餃子のいちばんの特徴は、オーソドックスということだろうか。
サイズは、大きすぎず、小さすぎず。
また中の餡も、野菜だけで作るのでも、またほとんど肉だけでもなく、
キャベツなどの野菜と豚肉をほどよく配合して作られている。
ま、万人向けって感じ。

もうひとつの特徴は、茹でモヤシを添える点。
戦後間もない頃、屋台で売っていたときは専用の道具などあるわけもなく、
調理にはフライパンを使用していた。
ということで、円形に焼いて、そのままの形状で客に出していたのだが、
そうなると、この円形の真ん中の空白に何らか付けあわせを添えたい、
なんて発想が出てくる。
そこで目をつけられたのが、入手しやすく、かつ安いモヤシ。
かくして、円形に餃子を並べ、その中心に茹でモヤシをトッピング、
というのが浜松ではポピュラーなスタイルとなった。
・・・とは書いたものの。
実際は、少ない個数だと円形に盛り付けない店はいっぱいあるし、
茹でモヤシを添えない店だってそこここにある。
円形盛り付けや茹でモヤシ添えが浜松餃子必須のお約束、ということでもないらしい。
うーん・・・イマイチ個性が薄いなぁ。
他地域にも売り出したいなら、もうちょっと何かがほしいぞ、浜松餃子。
まぁ、ヘンに手を加えずにあくまでも地域密着型を守る、というならば
それはそれでアリだが。