静岡のおでんはちょっと変わっている。
特徴は、だいたい下記の通りだろうか。
▼具は基本的に1種類ずつ串ざしされている。
▼濃口醤油で牛スジ肉を煮た真っ黒なダシ汁。
 しかし、食べてみるとそれほど塩気は強く感じない。
▼鰹節の削り粉や青ノリをふりかけていただく。
 ただし、店によってはこれがないところもあり。
▼「黒はんぺん」という具がある。
 その正体は東京で言うところの「つみれ」を平べったく延ばしたもの。
▼その一方で、普通のはんぺんは見かけられなかった。

静岡おでんは、大正の頃、捨てられる食材だった牛スジや豚モツを
煮込みにしてみたのが発祥だそうな。
一時は公園におでん屋台が数百軒も並ぶ時代もあったらしいが、
都市開発の波に洗われるように、次第に屋台群は消滅。
しかし、一部は固定店舗に鞍替えし、静岡人に愛されたその味は、
何箇所かに形成された「おでん屋街」に引き継がれている。

夜、おでん街で一杯飲みながらつまむのもよろしいのだが、
それよりもワタシが強くお奨めするのは、駄菓子屋で売っているおでんだ。
この駄菓子屋兼おでん屋は、静岡の街に何軒も存在する。
おでんが文化として根づいているんだねぇ。
さて、ワタシが駄菓子屋系をすすめる理由。
まず何つったって、居酒屋系と違って明朗会計である。
そして1本たった60~100円と、実にリーズナブル。
(それでも最近の諸物価高騰のあおりを受け、値上がっているのだ)
もちろんお味もたいへんによろしい。
ま、基本的にハズレない料理であるけれどね、おでんって。
駄菓子屋につきものの、味のあるオバちゃんとお話しするのもまた楽し。
たかだか500円足らずの客に濃いお茶を出してくれて(さすが茶どころだ)
なんだか恐縮してしまったりする。
ほのぼのします、しぞーかおでん(←現地ではこう発音するらしい)。