冬になると、各所のデパートの催事場でよく見かける「ますのすし」。
駅弁のイメージがあるが、本来、富山の郷土料理である。

歴史は古く、江戸は享保年間、すなわち八代将軍・吉宗の時代。
神通川で獲れたサクラマスを使った押し寿しを、
ある藩士が主の前田公へ献じた。
やがて江戸の将軍家にも献上されるようになり、
富山名物として知られるようになったという。

単なる駅弁メニューではなく、立派な地域食文化であることは、
富山の街を歩いてみればよくわかる。
約30もの鱒寿し専門店が点在しているのだ。
塩や酢の加減、シャリの固さ・味、マスの脂の残し具合など、
店によって味の個性がある。
食べ歩いて違いを確かめてみたいところだが、
ゴハンものだけにお腹に溜まって、一度に数をこなすことができない。
富山に滞在する機会のある方は、あちこち食べ比べてみてはいかが?