「麦きり」は庄内の鶴岡市周辺でよく食べられている郷土料理である。
小麦粉を水と塩でこねて、包丁で切る麺だから「麦切り」。
実にわかりやすい。
地元では、大晦日にそばではなく“年越し麦きり”を食べるんだとか。
“そば街道”なんて観光名所を売り出している山形県にあって、
異質な食文化が同居しているというのがおもしろい。

その「麦きり」、名前からして冷麦的なものを想像してしまうが、実態は冷麦よりだいぶ太い。
むしろ、やや細めのうどん、という感じである。
この地ではその昔、乾麺にしたものを「うどん」、自分の家で作る生麺を「麦きり」と呼んだ、
という説を聞いたが、本当なんだろうか? (ご存知の方は、どうかご一報ください)
さて、その麦きりの食べ方はというと、茹でて冷水でシメて、
ざるうどん状にしていただくのが一般的なようだ。
茹でたてを食せば、ツルツルシコシコとして、なんとも喉ごこち良し。

藤沢周平文学作品探訪、あるいは懐かしの人面魚の姿を眺めに
鶴岡にお出かけの際には是非食べてみてください。