「フライ」といっても、揚げ物のことではない。
埼玉県行田(ぎょうだ)市周辺で食されている、ローカルメニューである。

かつて、行田は足袋の生産で栄えた。
足袋工場で働く女工さん向けに、休憩時のおやつとして出されたのが
このメニューの始まりだという。
フライパンで焼いて作るから「フライ焼き」、
やがて、ただ単に「フライ」と呼ばれるようになった。
現地で作られている「フライマップ」によると、
このあたりでは、現在30前後もの「フライ」の店が存在している。

さて、その揚げない「フライ」の実体は・・・
小麦粉を水で薄く溶き、鉄板の上で薄く焼く。
具には、豚肉、小口切りした長葱、玉子などをトッピング。
焼き上がったらウスターソースまたは醤油を塗って食べる。
見ためは、薄っぺらーいお好み焼き。
口の悪い人は、ビンボくさいお好み焼き、などと言う。
確かにお好み焼きに似ているが、なぜかキャベツは入らない。
そして生地も“ふんわり”というより“しっとり”している。
ん~、お好み焼きよりも、もっと似たものあったような・・・
そうだ、この生地のプレス感、大阪の「イカ焼き」だ。
関東の片隅にポツンとこんな粉モン食が生まれたというのは、
なんだか不思議でおもしろい。
小さな店でいただく素朴なおやつメニュー、いいもんです。