長野県東部、千曲市や坂城町付近で食べられている郷土料理。
食べるスタイルは、いわゆる釜揚げ風、あるいはざるうどん風なのだが、
うどんをつけるめんつゆ(?)がとっても変わっている。
ベースはなんと、大根をおろした絞り汁。
使うのは「ねずみ大根」と言われるこの地方特産の大根で、辛味が非常に強い。
これに、お好みで信州味噌を溶かし、ネギなどの薬味を少々添える。
これだけ。
ダシと言えそうなものはまったく入らない。
まことに不思議なツケダレである。

江戸時代以前、海から遠い信州では鰹節や昆布は手に入りにくく、
これらで出汁を作ることはとても困難だった。
また、醤油や砂糖、味醂といった調味料もまだ普及しておらず、
この地の人々はやむなく、この辛い大根の絞り汁に味のアクセントを求めたということらしい。
ちなみに、大根の絞り汁を使うから「おしぼりうどん」。
手を拭くための布巾は、名前の由来とはまったく関係ない。

まずは、大根の絞り汁だけにうどんをつけてすすりこんでみる。
・・・グホッ!! 思わずむせてしまう、ツンとした辛さ。
はーーー、ちょいとノドにくるね、これは。
さすがにたまらないので少しずつ味噌を投入したら、ほぅ、マイルドなお味になってきた。
こいつはなかなかおもしろい。
大根の風味を消しきらない程度に味噌で微妙に味を調整するのが
やや難しくもあるが、楽しい。

戸倉や上山田の温泉へ身体を温めに行く機会があったら、
是非この料理で胃袋も温めてみよう。