むかしむかし、あるところに、父親と息子が住んでおりました。
父親は胃の病いを患っており、日に日に食が細くなりばかり。
困った息子は、たまたま通りかかった旅の僧から、
油を使わずに作る麺があると聞き、その製法を学びました。
こうしてできた、消化が良くて滋養のある麺のおかげで、父親の病気は全快。
この話がお殿様に伝わり、麺を献上することになりました。
お殿様は孝行息子の温かい思いやりの心をほめたたえて、
その麺を「温麺(うーめん)」と名づけました。
以上、宮城県白石市の特産品「白石温麺」誕生の一節でございます。

分類からすると、そうめんの一種であろう。
が、油を使わず小麦粉と水だけで作ること、
また、一般的なサイズは約9センチと非常に短いことが特徴。
だから味、ノド越しともにあっさりめな感じだ。
あたためて食べるもよし、冷やしてすするもよし。
優しい味である。

かつては白石市内でも、乾麺を生産・販売するばかりで、
実際に料理として出す店はほとんど見かけなかったのだが、
昨今の「ご当地食」ブームに乗ろうということなのか、
最近になって、温麺メニューを出す店としてアピールするところが増えた。
2008年の秋から年末にかけてJR東日本が仕掛けていた
「仙台・宮城デスティネーションキャンペーン」で紹介されたことも
追い風になったのかもしれない。
同キャンペーンのCM撮影で吉永小百合が訪れた店なんて、
「その座敷を案内しましょう」とまぁ、店主がいかにも鼻高々って雰囲気で、
ちょっと微笑ましかった。