沖縄は、地理的に本土と離れていることに加えて、
戦後の米軍統治で歴史的にも隔絶されたことが影響して、 独自の食文化が発達した。
ひとつの例が麺料理。
いまでこそ内地の有名チェーン店などが進出して提供してはいるが、
現時点では沖縄にはまだラーメン文化はないといってよかろう。
その代わりに根づいているのが「沖縄そば」である。

そばといっても蕎麦粉は一切使用しない。
奇妙な話だが、まぁ小麦粉100%のラーメンを「支那そば」「中華そば」と呼ぶが如し。
ちなみに沖縄で「そば」(現地語で「すば」)といったら「沖縄そば」のことで、
我々“内地”の人間が一般的に言うところの蕎麦は「日本そば」「ヤマトそば」などと呼んで
区別するそうな。
中華麺に近いが、いったん茹でた麺に油をまぶし、冷ましたものを使う。
油をまぶすのは麺表面に皮膜を作ることで酸化しにくくするためだが、この処理が
沖縄そば独特の食感を生んでいる。

起源については諸説あるが、いずれにせよ一般大衆に広まったのは大正期のこと。
当時は本土で普及した支那そばとあまり変わらないものだったらしい。
その後、沖縄人たちの好みに合わせて改良が加えられていった結果、
薄めの色のスープ、豚の三枚肉や沖縄かまぼこのトッピングといった、
今日のスタイルへと変化を遂げた。

スープは豚骨と鰹節でとるのが基本だが、そのバランスは作り手次第。
昆布や鶏ガラを加えることもあり、スープの清濁、色合い、そして味は店によって千差万別だ。
麺も、ラーメン同様にカン水を入れて打つのが一般的なのだが、
中には木灰を漬けた水の上ずみ液をカン水の代わりにして打った「木灰そば」を出す店もある。
う~ん、ちょっと食べ歩いたぐらいでは、全然極められないぞ。
また行こう、沖縄。