ワタシが子供の頃、お茶といえば自宅で淹れて飲むものだった。
缶やペットボトル、あるいは紙パック入りの製品が現れたのは、いつの頃だったろうか?
とにかく現在、自動販売機やコンビニエンスストアなどで、飲料商品としての
緑茶やウーロン茶が並べ売られれているのは、全国どこでもありふれた光景といえよう。

ところが、沖縄においては若干状況が異なる。
お茶飲料が売られているという点では変わりはないが、緑茶やウーロン茶よりも、
もっと幅をきかせている商品があるのだ。
「さんぴん茶」・・・沖縄では日本茶よりも身近な飲料である。

「さんぴん茶」とは、中国語の香片茶(シャンピエンチャ)が転訛したものといわれる。
「香片茶」は、またの名を「茉莉花茶」という。
すなわち「さんぴん茶」とは、一般的にいうジャスミン茶のことだ。
地理的・歴史的に中国文化と親しむ機会が多かった沖縄では、
古くから日本茶よりもジャスミン茶が愛飲されていた。
その習慣は今日でも変わらない。
例えば食堂へ行ってみると、大抵、まず出されるのは水や日本茶ではなく「さんぴん茶」だ。
そんな土地柄だから、地元の飲料メーカーのみならず、ポッカ、コカコーラ、伊藤園、カルピス、
UCCといった大手までが缶やペットボトル製品をを競って作って販売。
どの会社の自動販売機でもこの飲料が多くのスペースを占めているし、
コンビニの陳列棚は、各社の「さんぴん茶」百花繚乱の趣きである。

飲んでみれば香りさわやか、やわらかい口あたり。
なるほど南国の気候には、日本茶よりもこちらが合っている、
なんて感じるのは、通りすがりの内地者旅行者の偏見かな?