1300年前、日本の政治の中心地となった奈良。
80年も経たないうちに都は他所へ移ってしまったが、この地の仏教寺院は、
その後も大きな力を持ち続けた。
その代表が東大寺や興福寺。
奈良の「茶粥」はこれらの寺の僧侶が食したのが始まりとの説があるが、
これは荘園領主でもあった大寺院に、年貢として米や茶が納められた、
という背景があってのものだろう。
他にも諸説あるようだが、江戸時代には大和は茶の一大産地となり、
茶で粥を炊くという習慣が広まっていったのは確からしい。
半世紀ほど前には「奈良の朝は茶粥で始まる」と言われるほど
この地域の人々に親しまれたメニューだったそうな。

お茶で炊くから茶粥。
しかし、基本的に使われるのは緑茶ではなく、ほうじ茶だ。
お粥と聞くとワタシはドロっとしたものというイメージがあるのだが、
奈良の茶粥はサラサラとしていて、粘りがないのが特徴。
おぉ、ついつい何杯も胃袋へ入れてしまいそうになる。
正直あまりお粥好きではないワタシも、これはかなりいいと感じた。
でもねぇ・・・問題は、お値段よ。
奈良で茶粥を出す店を調べてみたが、ほとんどが1000円超。
ちょっとしたおかずをつけ「茶粥御膳」とかうたって2~3000円台、なんてのもザラである。
まぁ、お粥といっても程よく仕上げるのにコツはいるだろうし、
なんといってもここは観光都市だから…とは考えてみるものの、
やっぱりちょっと割高ではないかのぅ。

ちなみに茶粥は奈良だけでなく、西日本各所で食べられているという。
とりわけ和歌山では郷土食といってもいいものなんだとか。
しかし、知名度は「奈良茶粥」が上。
古都ブランドは強いのだなぁ。